私の野鳥の巣箱の設置に関する考え方は、「巣箱は人工的な営巣場所の提供である」という点を前提としています。そのため、巣箱を設置した瞬間から、それは「自然環境下ではない」(非自然的状況)と認識しています。
(例えば、カラスは遠方から巣箱を「餌箱(獲物)」と認識し、襲撃のタイミングを計るために定期的に巡回・偵察を行います。近年では、屋根が固定されておらず、蓋のように開閉できる巣箱も見られますが、カラスはその屋根を開けて中の雛や卵を襲うことがあります。そのため、巣箱の屋根は必ず強固に固定してください。※引っ掛け鍵での開閉固定なら、簡単に解除されます。
また、イタチやテン、ネコなどの小動物も同様に、巣箱の屋根を開けたり、巣穴から手を入れたりして襲撃するため、外敵の侵入を防ぐ工夫が必要です。※巣穴付近の止まり木や底板の出っ張りは、天敵の足場になりますので、絶対に設置しないでください。)
そのため、巣箱での営巣中に生命の危機が発生、または発生が予見され、それを人間が解決できる場合には、営巣リスクなど様々な状況を総合的に判断し、適切なサポートや介入を行うことがあります。
一方で、こうした人間の介入を最小限に抑えるためには、巣箱の構造、設置方法、設置場所、点検管理、天敵対策などの「初期対策」(未然防止策)が重要です。営巣後に対策を講じることは、営巣放棄につながる可能性があるため、あらゆる課題を想定し、適切な巣箱の設置を心がけています。
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