巣箱への人間のサポート・介入について

私の野鳥の巣箱設置における基本的な考え方は、「巣箱は人工的な営巣場所の提供である」という点に立脚しています。

最優先事項:初期対策による未然防止

過度な介入を最小限に抑えるため、最も重視しているのが「設置時の初期対策」です。構造、場所、天敵対策など、あらゆる課題を事前に想定し、万全の状態で設置することで、営巣後のリスクと人為的介入の必要性を根本から低減させることを目指しています。

介入のスタンス:非自然的状況としての認識

巣箱を設置した瞬間から、そこは「自然環境そのもの」ではなく、一種の「非自然的状況」であると定義しています。そのため、必要に応じて人間がサポートを行うことを厭わない立場をとっています。

緊急時の対応:生命維持の優先

営巣中に生命の危機が発生、あるいは予見される事態において、人間が解決可能であると判断した場合は、営巣放棄のリスク等も含め総合的に検討した上で、適切な介入を行います。

知っておきたい、巣箱設置の「光と影」

一見すると、人間が巣箱を設置することは野鳥にとって良いことばかりのように思われがちです。しかし、誤った知識による安易な設置が、かえって野鳥を危険な環境にさらしてしまうケースも少なくありません。

忍び寄る天敵たちの脅威

例えばカラスは、遠方から巣箱を「獲物のいる場所(餌箱)」として認識します。彼らは襲撃のタイミングを計るために定期的に巡回・偵察を行っており、非常に知能が高いのが特徴です。近年、メンテナンス性を重視して屋根が蓋のように開閉できる巣箱も見られますが、カラスは容易にその屋根を開けて中の卵や雛を襲います。引っ掛け鍵程度の固定では簡単に解除されてしまうため、屋根は必ず強固に固定してください。

また、イタチやテン、ネコなどの小動物も同様です。彼らは屋根を開けるだけでなく、巣穴から手を入れて中を狙います。外敵の侵入を物理的に防ぐ工夫が不可欠です。

「止まり木(留まり木)」が命取りになる理由

特にシジュウカラやヤマガラにとって、最も身近な脅威となるのがスズメです。スズメによる卵やヒナの襲撃を防ぐためには、以下の2点を徹底してください。

  1. 巣穴サイズの厳守: 適切なサイズ(27~29mm以内)に設定し、物理的にスズメが入れないようにする。
  2. 足場の排除: 巣穴付近の止まり木や、底板の出っ張りは「絶対に」設置しないでください。これらは天敵にとって格好の足場となり、巣箱への侵入を容易にする手段を与えてしまいます。

野鳥を守るための善意を確かなものにするために、正しい構造と知識に基づいた設置を心掛けましょう。

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • はじめまして、横浜市在住の者です。
    二年前から巣箱を設置し、一昨年は巣立ちまで、昨年は巣作りの気配まで、後になり確認したら卵が8個残った状態でした(初夏に庭に蛇の抜け殻がありました)

    今年も庭に遊びに来ており、巣箱を覗いたりしていたので1ヶ月前初めてカメラを設置してみました。それ以降遊びには来ますが、巣箱の中を見たりする行動が見られなくなってしまいました。カメラの設置を警戒しているのでしょうか…。アドバイスをいただけたら幸いです。

    • コメントありがとうございます。
      カメラ自体の警戒はないですが、覗きに来ている段階でのカメラの設置になりますと、巣箱の中の環境が異なってしまうので、少しマイナスポイントになります。
      また、横浜ですと、既に巣作りが始まっている頃ではないでしょうか?それであれば、営巣と関係ない巣箱に覗きに来ることは大きく減ると思います。
      昨年の状況は、営巣放棄または、メスに事故があったかもしれませんね。
      ヘビが近くで生息している環境での巣箱の設置は、ほぼ確実に、巣箱が襲われてしまいます。
      ヘビ返しは必須ですし、ヘビの捕獲のワナの設置も行ってください。

      1回目の営巣はないかもしれませんが、初夏までの2回目の営巣や他の巣箱のバックアップの役目もありますので、まだまだ、期待して営巣を見守ってください。

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